1.ベテラン工場長、社長業に挑戦!

開業して2年の製本加工業。元々製本加工業の工場長を務めていたが、取引先から独立しないかとの誘いがあり、円満退職・独立開業した。

経営者になってみて、正直言ってつらい(笑)。
会社のすべてを背負わなければならないから。20年以上工場長をやって来て、工場の管理だけやっていれば良かったんだが、今は全部自分。
資金繰り、銀行との交渉、人の採用、採用しかけた人をお断りするのも自分。なかなかいい人は来てくれないから、断る回数も多くなり、これもつらい。
しかし、今は断裁を任せられる人間が育ったので、だいぶ楽になりました。もう一人、休まずに働いてくれて見込みのある若者がいるので、彼も育ってくれれば、非常にやりやすくなる。
3Kといわれる業種で、こんな若い人が当社に来てくれたのは、遊びの縁がきっかけ。海釣りの仲間の、親父さんの息子だった。
「プータロー状態の息子がいるんだけど、使ってくれない?」と打ち明けられて、「うちみたいなところで、いいの?」って感じだったけど、来て貰ったら、まじめにやってくれて、戦力になった。
職安から紹介してもらったときは、10人来て、残った人はゼロだったよ。
開業してみて、誤算はいっぱいあったけど、一番大きかったのは、あてにしていた中古の機械。
稼働中のものを安く入手できたので、採算が楽になるはずだったが、スピードが遅く能率が悪い、結果、作業時間が増えて人件費が上がる、修理代がかかる!開業1年後にまた借金して新品に換えました。
できればもう2~3台機械を入れ、人を育てて仕事の幅(できる範囲)を広げたい。合計7台で一日5万円稼げば、おもしろくなるし、自分は機械にへばりつかずに、外から会社を見て、段取り、能率アップ等をはかりたいと思います。

当社は文庫の仕事が中心。設備もそれ向きの小さいサイズ用の機械を揃えた。
他の業界もそうだろうけど、信用が第一。クレームがつくと、工賃の3~4倍の損害賠償額になりかねない。
まして、当社は始めたばかり。最初から大きな仕事はもらえないから、小ロットで取引を始め、徐々に仕事の質を認めてもらう。これを繰り返して信用を作るしかないでしょう。
私は恵まれていて「仕事付き」で独立したから、最初から仕事があったけど、それだけではとても発展しないから新規の仕事も欲しいわけです。
それには小さい仕事でも我慢して信用を得ていくしかありません。
この業界では、ちょっと売上が上がると「あいつはいいらしい」というウワサが流されたりして、敵が増えることもあります。見えない敵が。
それでも同業者は商売敵であると同時に仲間でもあります。仕事が多い、やりきれないときに助け合う関係を持っていないと、お得意さんの要望に応えられない。要望とは言っても、それは「絶対に応じなければならないもの」という意味です。
だから同業者との付き合いは大事。仲間づきあいのできる同業者もいれば、どういうわけか、ずっと商売敵みたいになっちゃう同業者もいます。敵というと大げさですが、敵にしろ、味方にしろ、どちらとの付き合いも大事です。
どうにか、やっていける見込みもついたし、将来のビジョンも見えてきて、やりがいはありますけど、体力を考えると、独立するなら早い方が、若いうちが良いかも知れません。

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