絶体絶命の危機突破について
小規模企業経営者懇談会
以下は当ホームページの開業ノウハウ2「絶体絶命の危機に対処する」を読んだ経営者の懇談を記録したものです。
社長A:このレポートは、熱心に書いてあるけど、僕としてはもっとケーススタディに徹してほしい。よくあるケースを例にして、この場合はどうする、この場合はどうする、という形がいい。
社長B:ここに書いてあることは、我々が日常、実行していることじゃないかと思う。やるか、やらないか、というのは、私に言わせれば「あきらめる人」と「最後までがんばる人」の違いだと思う。
あきらめなかった人にはチャンスがめぐって来るけれど、あきらめた人にはそれがない。がんばっていれば、応援してくれる人も出てくる。それでもだめだった、というのは、自分の力以上のことをやっているわけだから、自分の力に合わせた大きさに縮小すればいい。
要するに、自分で決断して、計画を文字にして、なるようにしかならないと腹をくくる。大きな声でしゃべって、大股でさっさと歩くことだ。
社長C:要は、自分の規模・大きさに固執してはいかんということ。
社長D:若い内は、絶対あきらめない、やればなんとかなると思ってるよ。だけど年を取ると少し変わるな。まだあきらめないぞ、という粘りが無くなってくる。
現にウチでは1000万の新規設備を入れようかどうしようか迷ってるんだ。今、外注に出してる仕事がウチで出来るようになる。お宅でやらないかという引き合いが来てるから1000万借金しても1年仕事すれば元は取れる。仕事の幅は広がる。やらずにいれば借金はしないで済むが、固定費をずっと今の仕事で賄っていかなければならない。
ここに書いてあるように「絶体絶命の危機」は何もしないでいても必ずやってくるからね。それなら危機が来る前に手を打ってしまおうという事。
社長E:やろうか、やるまいか迷ったらやるべきだ。機械を入れちゃえば仕事は何とかなる。借金でやるなら借入期間を長くする事だ。
一度「やる」という前提にしたら、やめる事は考えない。商売で生まれた借金は商売やめたら返せない。我々にはやめるという選択は無いんだよ。
社長B:やるべきだ、というのは一つの判断だが、やりすぎ、拡大しすぎて失敗する例もいっぱいあるよ。
社長E:そりゃ、わかってるけど、社長Dさんの規模と仕事で1000万の機械なら、大丈夫だからやりなさい、という事さ。
社長D:実際に行き詰まったら、もう何もできなくなるよ。借金取りが会社に居座るし、家主も立ち退き命令をする。裁判所にも呼び出される。仕事なんか手に付かない。
おれの場合はやり直す気があったので、3年だけ待ってくれと言って、3年で借金を返した。だけど今ああなったら厳しいよ。
社長F:私の場合は小さいんですけど、200万の不渡り手形をもらったことがあって、そのときに大手の取引先から仕事を切られちゃったんです。その会社が子会社を作って、私のところに出していた仕事をそっちに持っていったの。
ダブルパンチだったんですけど、本当に、やめるわけには行かなくて「やるしかない」状況でした。もう地道にお客さんに情報提供をして。節約も徹底しました。少し上向いてから設備を再開しました。
社長G:得意先の社長だけど、バブル期に儲けて工場を新築、本社ビルを東京に建てた人がいました。急成長が不況になったらすぐ工場閉鎖しました。借金が増えないうちに閉めちゃったんです。すごい決断力だと思いましたよ。
社長A:危機に瀕した時に、運が上向く人と、そうでない人がいると思うけど、上向く人はまず良い友人関係のある人、普段から自分の事、会社のことをある程度公開する人じゃないかと思う。運が下向く人は、いろんなことをウソで切り抜けようとするタイプかな。
社長C:海外にいた時期にいろいろ「勝負だ!」という場面を体験しましたけど、自分のやってきた事、経験、成功などに執着してはいけない。失敗にも執着してはいけない。滅入ってしまいます。ゼロからの気持ちの方が良い。神仏を拝む、最後は自分を拝むしか無い。何かを拝むと「気」が溜まるそうです。どっしり構えて出直す、という気持ちです。
念じればうまく行く、と言うでしょう。念じたら「ああうまく行った、ありがとうございます」と先にお礼を言っちゃうといいんだそうです。
社長D:絶体絶命の時も、同業はある程度心配してくれるけど、材料屋さんは逆。寄りつかなくなるから。良くなると寄って来るんだよね。
社長C:一番の理解者はかみさんだよ。ほんとに滅入った時に、うるさく言われたらどうしようも無い。私も職探しをした時期があったが、妻に責められなかったのが救いだった。危機になるとどうしても仲が悪くなりやすい。だから大事です。自殺する人もいますけど、あれは自分の気持ちを見ててくれる人がいないから死んでしまうんではないだろうか。
社長B:死のうと思うなら自分が今持っているものから再開すればいい。何もなければ裸から始めるのだ。元々は裸なのだから。
社長D:もし自分一人で生活しているんだったら、これから先、危機に出会うような事があればやめたい、と思う。でも子供や後継者がいる以上、危機に備えて手当をするよ。
社長G:子供は親にいいところを見せようとして、悪いことを隠すんだよね。
社長A:それは親も同じ。子供や家族に良いところを見せようとして失敗もする。一流レストランで家族と食事をして「会社が倒産したらもうここへは来れないんだよ」という話をする教育法を聞いたことがある。
社長G:やっぱり目の前の利益だけで動く人はダメになるんじゃないか。もっと遠くを見ていないと。
社長A:ピンチになりやすい人、得意先がつぶれる人は、そういう状況に自分を追い込んでしまうんだ。お尻が軽すぎる。先を読めない。手を打てない。みんなが嫌う人、暗い、感謝しない、ウソを言う。喧嘩をする。そういう事をやっているとピンチに陥るのではないか。
社長G:所詮は人(人柄)である。自分は今つきあっている人は30年近いつきあいの人が多い。これからも30年つきあえる人とつきあうつもりでいる。
社長C:それと、取引先への依存度は20%以下にしとく事です。1社への依存は20%以下。これが大事ですよ。