経営と開業の事例 #24 戸 田市商工会トップメニューに戻る
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コストダウンと新分野進出・国内縫製業
ファッションエイジ

国際化と情報化が進んだ結果のひとつが、いわゆるデフレだろう。情報化の進展などにより、国内でどんなものが売れるかというマーケティングや、製造・加工方法の技術移転も国を超えて容易になってきた。どこで一番安い原料を売っているかも把握しやすくなってきた。
 国際化の要素のひとつ、貿易の自由化により海外の安い素材・製品・加工品が国内の企業と競合しているが、価格の面ではおおむね国内産は旗色が悪い。
 しかし、だからといって何もせずにいるわけにはいかない。今回の事例は下請けの衣料品縫製業である。従って、もろにアジア製品と競合し苦しい業界であり、当然コストダウンやリストラも経験している。今回はコストダウンによる本業のデフレ対応と、本業以外にチャレンジしようという、新分野進出についてレポートする。
 今回ご紹介する企業は、国内中小メーカーを主要な取引先とする縫製業である。もちろん海外有力ブランドではない。国内中小ブランドである。したがって、海外製低価格品とも競合し、苦しんでいる。事実、ここ7〜8年ずっと業績は良くない。利幅が低くなり、量も出なくなってしまった。この企業の事例では、1.現在の状況の分析と将来の見通し 2.1に基づく、将来この業界でやっていくための対策と実践 3.新分野への進出 の3つをとりあげている。1.と2.については、自分の調査に基づき論理的・計画的に進めているが、3.については、偶然の病気と生活上の必要がきっかけになっている。しかし、個人的な必要であってもそれがビジネスになるかどうかの判断には長年の経営感覚が生きていると思われるので事例として紹介することにした。

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 数年前、取引先の1社が倒産したのがきっかけで、業界の将来を真剣に考えるようになった。あちこちから情報を収集し検討した。公開されている決算書だけでは信用ならないと、いろいろな人脈を作り、支払ぶりや現実の商品の動き、関係業者の感覚・見込みなどを聞き込み、取引先の資金繰り(今で言うキャッシュフローです)状況を推測した。経済の勉強もして、集めたデータを自分なりに分析した。その結果、業界の縮小は大いにあり得ると結論した。つまり、この業界がゼロになるかどうかはともかく、今の規模よりかなり縮小するだろうという結論である。
 この結論から、今のままのやり方で営業を続けていたのでは、業界の縮小と運命を共にして利益は減る一方。いつかは成り立たないときが来ると思われた。そこで、今後の方針として2つの方向を考えた。第1の方向は、同じ業界の他社がやらないことをやって生き残る。第2の方向は、この業界がだめなら、業界をはみ出して仕事をしよう、というものだ。
 しかし、第2の方向は準備やチャンスも必要だ。すぐにできることではない。それで、まず最初に始めたことは、自社の安全性の拡大策だった。具体的には取引先の分散化・つまり取引先の件数を増やす事だ。取引先の数が多ければ全部が一度にだめになる可能性は低いので安全性が高まる。次に、危険性の高いと思われる取引先との取引縮小である。自社の売上や目先の資金繰りの都合で、何でも取引を増やすのでは無く、危険性があると思われる取引先との仕事の量は減らして行った。そのときは苦しい思いをしたが、結局支払い条件などの悪い企業が減っていったので、長期的には自社の資金繰り上もプラスになった。
 次に、利幅の縮小対策をおこなった。具体的には人件費のしくみを変える事にした。当時は主婦パート15名を使っていたが、パートさんの給料も固定費で、仕事が無くても一額の支出がある。これを完全に出来高制にしようというものだ。ミシンを貸すから、自宅で仕事をしてもらう。外注・内職である。そうなると、仕事をたくさんやる人、できる人にはどんどん仕事が行く事になる。反面、納期・仕上げ・タイミングがあわない人にはその分仕事が減る事になる。出来る人は今以上の収入になるだろうが、そうでない人は仕方が無い。辞めてもらう事にもなるだろう。実際にこの制度を導入するときには、かなり悩んだが、共倒れになるよりましだから、と決断した。
 これをパートさんに申し渡すのは気が重い仕事だったが、「新しい事を始める勇気」は事業家には必要な事だ、と自分に言い聞かせてパートさん全員を集めて通達した。今で言う固定費の変動費化である。今ではこの形式の方が多いかも知れない。
実際に始めてみると当社工場のパートさんは元々農家の主婦が多く、自宅にプレハブ作業場を建てたりして「自分の時間と空間をつくり、ついでに副収入も入るわね」というわけで、一所懸命協力してくれる人が多かった。
 そのかわり、管理は大変になった。朝5時から集配作業を開始する。一番大事な受注管理はもちろん自分の仕事。アイロンなどの外注・仕上げ・納品も自分で管理する。途中の縫製は外注(内職)という仕組みである。加工の単位をある程度まとめて、内職さんが、「自分の仕事の出来栄え」がわかるような単位にして責任感・達成感を得られるよう配慮した。
 内職さんからの配送は宅急便を使う。いまでは、宅配便が安くなっているので、そういう点はデフレのメリットだ。
 さて、外注方式で一息ついたが、次第に同業者も同じような工夫をするようになってきた。また新しい工夫が必要になるなあ、と考えていたところへ、今度は日本の企業が中国で作らせた安くてファッショナブルな商品が市場に出てきた。それが売れると他の企業も同じ様に安いものを出して一層競争が厳しくなる。今度の状況は、競争の前提条件・土台が違っている気がした。ますます危機感が募る。

縫製業も続けたいが、万一に備え、別の仕事もやりたいと考えるようになった。つまり、「今後の方針・第2の方法」新分野進出である。では、どんな分野にねらいをつけるか。今までの経営資源を有効に使えるものが望ましいが、どんなものがあるか?これは、本業の改革よりむずかしい。とにかく勉強した方がよい、ということで縫製業の仕事は、自分がいなくても、家族の手で回していけるように手順の整理を行った。そして、自分は勉強だ、という事でインターネットを始めた。しかし、その矢先に長女が突然アトピーを発病し、医者の治療を受けても治らず、新分野の研究は棚上げして、アトピー治療の勉強をせざるを得ない状況に追い込まれてしまった。
 長女がアトピーを発病したのは突然だった。とても苦しくて通常の生活ができない。近隣の皮膚科を手始めに大学病院をいくつか訪れ、歯に入れたプラチナが原因ではないかと言われてそれも入れ替えた。漢方薬局なども訪れたが治らなかった。インターネット等で自分なりに調べていて、アトピーの原因には活性酸素が関係しているらしいという事がわかってきた。また、低下した免疫力の正常化には霊芝という漢方薬が効くというので、それを知人の紹介で入手し、試してみたら、長女のアトピーは治った。但し、治ったのが霊芝だけのせいなのか、いままでの治療がその時期になって効いてきたのかは、よくわからない。
 この時点で得たものはアトピーの解消だけではなかった。第1に、インターネットが非常に役に立つものであるという事、第2に活性酸素、第3に活性水素水の存在だった。
 活性酸素は人体に悪い作用も持つものだが、現代人がそれから身を隠すことは非常に難しく、活性酸素に囲まれて生活しなきゃならない、という印象を受けた。活性酸素の影響で現代人はいろいろな病気になりやすい。そして、場合によっては、高価な霊芝のような薬が必要な事もあれば、もっと治りにくい病気になる事もあるだろう。
 これに対して、活性水素水というのは、水素を大量に保有している水で、電気的な装置で精製することができる。これを飲むことで活性酸素の害を中和することができる、というものだった。研究者によると、名水といわれる天然水は総じて活性水素の保有率が高く、水道水などは非常に低い、という報告があった。
 しかし、その話をすると、某医薬品食品衛生研究所勤務の甥に「そんな水があるわけがない。水素はすぐに他の分子と結合してしまうはずだ」と笑われてしまった。
 しかし、大学病院の治療でアトピーが治らず、インターネットで調べた霊芝で治った経験から、「活性水素水には何か効果があるんじゃないか?」という思いが消えなかった。
 活性水素水の生成機は、高級浄水器程度の値段で既に市販されている。これを自宅に購入することにした。なに、毎日、車で仕事に向かう際にミネラルウォーターやお茶などの飲み物を何百円か出して買っているが、それをやめて水筒に活性水素水を入れて飲めば良いじゃないか。と思ったのだ。これを日常的に飲んで何か変化が起きたかというと、自分の排泄物のにおいが変わった。においが非常に弱くなってきた。
 さらに活性酸素と活性水素水に絞っていろいろ調べたてみた。本当に水素を含んだ活性水素水ならば、酸化させた水を還元できるはずだ、それを実験してみようと思い立った。もちろん、大学の研究室のような実験ができるわけではないが、自分の疑問を解消するための実験だから、自分が納得できればそれで良い。
 例の甥に、水を酸化させるにはどうすれば良いのか聞いてみたところ、ある種のうがい薬は酸化作用で殺菌・消毒していることがわかったので、それを使い、活性水素水を加えて中和すれば効果あり・薄まるだけなら効果なしと推定できる。
 さっそく我が家の"実験室"で実験し、PH値をはかってみたところ、酸性度が下がるのが確認できた。甥にも試させたところ、「驚いたが、還元作用がある」と言ってきた。これは、たしかに還元作用がある。活性水素水が体によいというのは本当らしい。毎日飲もう。しかし、そのときはまだビジネスにすることまでは考えが至らなかった。
 一方、アトピーが治った長女は介護福祉士の資格をとったが、4年生大学に入り直し、社会福祉士も目指すことにしていた。介護や福祉を長女がインターネットで調べるのを手伝っていたら、そこでも活性酸素が問題になっていた。介護施設で活性水素水を飲用に使えば排泄物の臭いが減少するので、介護が非常に楽になるはずだ。活性水素水はこれから用途が広がるのではないか。もしかしたら、自分にとっての新分野ビジネスになるのではないか、と思い至った。
 活性水素水が本当に新分野のビジネスとして自分にプラスになるという保証はない。しかし、自分の納得のいく商品で、世の中のためになると思われるものならば、やってみる価値があるはずだ。家族の病気がきっかけでこういうものと巡り会ったのも何かの運命かも知れない、他に有望な分野も今のところ見あたらないのでひとつ、挑戦してみよう、という気になった。いずれにしろ、「健康」というものは今後の重要な分野のひとつであることは間違いない。
 活性水素水は一部を除いて、医療関係者にはまだ信じてもらえない。また、個人が気楽に購入するには高い買い物かも知れない(1式 238,000円)。
 そこで、建築関係と協力して新築住宅の据え付け浄水器としての販売、水道工事関係との提携による販売、介護施設への販売を中心に、足で回って説明・説得して販売する手法を取ることにした。
 新分野への進出については「経営革新支援法」という法律があり、国の支援策があるが、今は利用しようとは思っていない。まずは活性水素水のすばらしさを自分の口から相手に説明し、理解してもらいたいと思っている。
 インターネットはすばらしいが、それでも顧客の開拓は一人一人自分と自分の足で行うのが基本だと考えている。
 活性水素水は生成機の開発元との契約以外に新たな外部固定費は必要ない。
 従って新たに借金をして始めるわけでもない。あとは自分の営業努力である。考え方によっては、危険性の低い新分野進出であると考えている。

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ご注意 以上のレポートはご本人のお話を取材したものです。当商工会ではアトピー治療などについて活性水素水や霊芝の効果は確認しておりません。お問い合わせをする場合は、下記へお願いします。(2002/4)

ファッションエイジ 木暮 英二
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