経営と開業の事例 #1 戸 田市商工会トップメニューに戻る
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オヤジ社長から2代目への エール
    プロフィール
 父の会社の倒産を経験。露天商から始まって、いろいろな事業を手がけ、現在、年商10億の建設業を中心とする複数の企業、不動産を所有。
 聞いたままを書いてますので、言葉が乱暴なのはご容赦ください。

 若い奴にまず言いたいことは、耳 年増になるなって事だ。今はその気になれば、本を読んだり、あらかじめの勉強もできる。だけど、わかっていても相手に聞くこと、教えてもらうことが大事な んだ。
 自分はできる、頭がよいと思ったら失敗する。わかりません、と言って教わった方が得なんだ。
 2代目に限らず、独立してやっていけるようになったとするだろ、すると「おれは自力でやっている。だれの世話にもなっていない」と慢心するんだよ。
 そうなると教わろうという気持ちが薄れ、礼も忘れ、敵が増えて来るんだ。
 頭を下げるのだけが礼儀ではないが、礼儀を大事にしないと敵を作る。相手への敬いが礼儀だからだ。
 独立開業は、他人の領分に割り込むんだから、自分の他は元々敵なんだ。それを何とか味方にしなきゃならないのに、わざわざ敵を作る。
 おれの場合、親は社長で、おれは4人兄弟の末っ子で最初からグレていた。兄3人は大学出だよ。おれだけ中卒だ。
 だけど、結果としておれは従業員を味方にした。相手の気持ちになってやれば味方になってくれるよ。慢心したらだめだ。
 親の会社が倒産し、破産が決定した。親父は倒れた。おれ一人残ったんだ。
 おれは自分で別に会社を起こしたから2代目じゃないが、2代目はよっぽど気迫がないとだめだ。他人というものは、「2代目よりも先代が好き」なんだ。先 代はお金を持っているからだ。あたりまえだろ?
 親の会社がつぶれてからはいろんな仕事をやった。
露天商もやった。貧乏そうな団地に行くとよく売れた。新興のきれいな団地では、まるで売れなかったこともある。見かけにだまされないことだ。
 あと、人に自分の存在を忘れさせないようにすることだ。
 だから、ウチの作業車は全部目立つだろ?宣伝カーを兼ねてるんだ。
 露天商以後は業種をいろいろ変わった。運送屋、陸運局の手伝い、土方...
 商売は見切りを早くしないとだめだ。慣れた業種だからっていくら粘ってもだめなものはだめだ。
 おれは基本的に金と材料のかからない仕事を選んできた。
 ある仕事を受けたときに、手堀りで工事する、という条件で請け負ったのだが、守衛にたくさん酒を飲ませて、こっそり夜中に機械を運び込んで掘ったんだ。 10日でもむずかしいという予定が1週間で出来たよ。
 それで「アイツは仕事が速い」という噂が立った。今の仕事を手伝わないかという話がきた。
 毎月3000万の仕事をくれれば下請けになりましょう、と言ってこの仕事を始めたんだ。 だけど、そのときに相手から金は借りなかった。親会社からは金 を借りちゃだめだ。
 お客さんが何を望んでいるか考えなかったら、商売はできない。
 今の会社の重要資料・あれのおかげで不況知らず、仕事が向こうからくるんだけど、最初からタダで作ったんだ。仕事としてやったわけじゃない。資料が完成 した後もタダで取引先に提供・利用してもらっている。
 そのかわり、おれの所に仕事が来るのさ。先に自分から金を使わなければ、金を稼げるようにはならないよ。まあ、おれの場合、金を使ったんじゃなくて労力 を使ったわけだ。
 お客さんが何を望んでいるか、それだけは365日考えているよ。
 考えると言っても、現実の自分の仕事場から考えていくのが基本だ。さらに、商いはいろんな角度から見ていかないといけないので、世の中の動きにも気を配 るのさ。あくまで、自分の仕事場が出発点だけどね。
 それから、動物的なカンも必要だ。頭で考えてからでないと動けない人は1歩遅れるな。
 人より早く動くことも必要だ。ケンカでも先に手を出さないと負けるだろ。
 カンで動くと失敗することもある。おれだって今でも失敗はするが、大人というか、一人前になって日が経った人間には、失敗もあった方がかわいげがあって 良い。
 ただ、失敗を恐れていては大きく伸びることは出来ない。チャンスには勝負しなきゃ。
 それも、お客さんの望みを考え、人まねでない、自分の工夫をしないと。自分がやってみないと、工夫はできない。
 大企業の重役や雇われ社長ともしょっちゅう会うけど、彼らの多くは、そこにあるご飯を食べてるだけ。
 自分で食べる分を作っていない。だから独自の工夫が出来ないんだ。
 昔はカレーライスにソースをかけて食べただろ?今はしないよな。出されたものをそのまま食べてるだけだ。昔は自分で味わって、ソースをかけるという工夫 をしたのさ。今は、そういう余地がないんだな。
 今の若い人には、ハリが感じられないね。光がない。頭が良すぎるのかも知れないが、野性味がない。ギラギラしたところがない。
 ウチは、売上19億になったが、今の業態でこれ以上大きくすると、若い人たちに労力をかけすぎる。
 忙しくなりすぎる。忙しすぎると人間がただの兵隊になってしまう。
 そうなると、自分で工夫なんてできなくなっちゃうよ。
 それに、3年間19億を続けたら、みんなが19億の意識になっちゃう。慢心だ。
 そうしてのぼせた奴がだめになって行くんだ。ウチの損益分岐点は今、10億だ。
 19億になっても、10億のつもりでやっていれば問題ないんだ。それをすぐ、19億の頭になっちゃうから失敗するんだよ。
 規模の大小はあっても、稼ぐことは大事だ。赤字では強くなれない。稼いでいればいろんな事が出来る。強い奴は好きなことが出来るんだ。
 弱い奴の言うことはひがみだな。でも弱い奴は大事にしないとだめだ。弱い奴は一人ではかかってこない。集まって大勢で歯向かってくる。大勢でこられると 困るだろ?
 おれは、自分の車も会社の作業車も自分で洗車する。だから従業員も全員自分で手入れするよ。洗車代、修理代の節約だけじゃない。ものを大事にする気持 ち、安全運転をする気持ちが生まれるのさ。
 2代目は守るのが第一の仕事だ。2代目という立場は誰にとっても荷が重すぎる。俺の倅も苦しんでるよ。
 2代目は自分が強くなればなるほど肩の荷が重くなる存在なんだ。
 どれだけ努力しても、それがあたりまえなの。親父のせいでうまくいったと言われちゃうんだ。それを負担に思わず、親に感謝していければ、やっていける よ。
 あと、人の上に立つ者は素直さが必要だよ。自分の非は認めないと。
 稼ぐ時、遊ぶ時のケジメをつけることも必要だ。
 従業員とは同じ部屋に泊まっちゃいけない。従業員は仲間であって仲間でない。友達であって友達ではないんだ。
 銀行をうまく使えない人は経営者になれない。銀行とは、だましあいだよ。銀行にあるのは計算だけだ。1000万の金を入金だけさせてやっても喜ぶよ。
 但し、銀行は勝手口を見て会社を判断する。銀行の外交員は大事だ。よく言ってやるんだ「ウチの黒板・予定表をよく見て、調べて、支店長に報告しておけ よっ」てね。
 金は魔物だ。あぶく銭は絶対に自分のふところに入れてはだめ。手元に持っていると、どんな奴でも金に執着するようになる。
 執着が生まれると、いつか必ずまちがいを起こす。
 だから、金は全部女房に預ける。自分で持っていてはだめだ。小さな金でも。
 ただし、大きい金は、おれが使う。生かして使わなければならないからだ。
 繰り返すが、現金は自分で持つな。金はバケモンだ。
 あと、あんたは小売業の2代目だそうだが(同席した青年部特派員の方を向いて)店は客に礼を尽くさなければならない。そうすれば客も店に礼を尽くすよう になる。客と店が競い合えば良いものができる。
 店がだめになると、客が来なくなるのは、すぐだ。来ていただく工夫は客寄せだ。月に1回は原価を切ってでも変わったことをやるんだ。人まねでない、独自 のものを。

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